きれいな傷の治し方


一昔前までは、擦り傷や切り傷には消毒液で消毒した後、ガーゼや絆創膏を貼って傷を乾燥させる方法が広く行われてきました。
しかし最近になって、創から出る抽出液が創傷治癒を促進させる事が判明してからは、閉鎖療法(密封療法)が傷の治療の主流となっています。
ただ最近は、医療用品でないサランラップなどで安易に密封療法を行い、創の感染を起こして来院する患者さんが後を絶ちません。
以下、傷の綺麗な治し方について解説しますので参考にして下さい。

①切創(切り傷)、擦過傷(擦り傷)の場合
傷が皮下に達する程深い時には、縫合手術が必要になりますので、病院にかかって下さい。
創から出血している場合は、出血部の直上をガーゼなどで強く圧迫して下さい。
約10分間程圧迫しても出血が止まらない場合は、血管損傷の可能性がある為受診して下さい。
手指や足趾などの創から出血している時に、指趾を輪ゴムやひもなどでしばって止血する患者さんがいますが、指趾が壊死してしまう可能性がありますので絶対にやめて下さい。
出血が止まったら水道の流水で傷口をよく洗います。
もし傷口やその周囲に泥や砂などがついている場合は、全て取り除いて下さい。
もし砂などが傷の中に入って取れない場合も来院して下さい。
病院では、表面麻酔又は局所麻酔をかけて異物を徹底的に取り除きます。
傷が綺麗になったら乾燥させた後、消毒などはせず、創傷被覆材(ハイドロコロイドなど)で創を密封します。
現在は被覆材は薬局でも多数市販されています。
被覆材は1〜2週間張り続けます。
もし疼痛や発赤が強くなってきたり、膿が出てきた場合には来院して下さい。
密封療法は顔面の擦過傷などが最も良い適応となり、非常に綺麗に治ります。

②刺創(刺し傷)、咬傷(咬み傷)、挫創の場合
刺し傷や犬や猫などの咬み傷、皮下組織まで深く損傷する挫創の場合は、細菌感染を起こして化膿する場合が多いですので、病院を受診して下さい。
やはり傷口を水道の流水でよく洗い流す事が必要ですが、創が赤く腫れてきたり、痛みが強くなってきたら早急に受診して下さい。

③熱傷(やけど)の場合
やけどの場合は、まず創部を水道の流水で15分〜30分冷却します。
氷やアイスノンを創に直接当てて冷やす方がいますがら水疱が破れたりしますのでお勧めできません。
第Ⅰ度熱傷(発赤のみ)の場合は、市販の熱傷用の軟膏を塗っても構いません。
病院では主として、エキザルベ®軟膏やリンデロンVG®軟膏の外用を行い、奏効しています。
浅達性の第Ⅱ度熱傷(水疱形成)の場合、水疱はなるべく破らず温存し、針などで水を抜いた後、前記と同様の密封療法を行います。
既に水疱膜が破れている場合はこれを残さず綺麗に除去した後、やはり密封療法を行います。
分泌物が多い場合は被覆材の隙間から排出させます。
疼痛や感染などがなければ、密封療法を約2週間行います。
深達性の第Ⅱ度熱傷(水疱とびらんを伴う)以上の深い熱傷や直径5cmを超えるような広範囲の熱傷の場合も病院にかかって下さい。
マスコミなどではサランラップなどを用いてやけどの治療を行う方法が紹介されていますが、合併症も多い為、自己治療はしない方が無難です。