ダニ刺咬症


森町では、しばしばダニの刺咬症に遭遇します。
北海道内で生息するダニは殆どマダニです。
ダニは草や枝の先端などの高い所で待機しており、人の呼気の炭酸ガスや体温を感知して乗り移ります。
ダニは頭部の先端にある口から、口下片という多数の鈎(こう)がついた針を皮膚に刺して吸血します。
鈎は釣り針の「かえし」の様な構造になっている為、簡単には抜けない仕組みになっています。
血液を大量に吸ったダニは、虫体が黒くパンパンに半球状に膨らんでいます。
殆どの患者さんはダニとは分からずに虫体をむしり取ってしまいます。
その為ダニの口下片が皮下に残ってしまいますので、摘出手術が必要となります。
もしダニに刺された場合は、虫体をむしり取らずに来院して下さい。
虫体が残っていれば、簡単に口下片ごと摘出する事が可能です。
ダニに刺された場合に続発する感染症としては、ライム病、日本紅斑熱、野兎病などがありますので、ミノマイシン®️などの抗生物質の内服が必要になります。