風邪とインフルエンザの治療


最近、本や雑誌で「かぜやインフルエンザにかかった時に病院にかかるな。」とか「薬は飲むな。」などの全く誤った記述が目につきます。
これらの主張が、医師や薬剤師などの医療従事者によってなされているのは無責任極まりない事と思います。
というのは、風邪やインフルエンザは場合によっては命をも脅かす疾患だという事です。
インフルエンザは約100年前に「スペイン風邪」と言われ、世界中に蔓延し、約5000万人が死亡しています。
また最近でも、毎年約1万人がインフルエンザで死亡しており、交通事故死者数を上回っています。
また風邪の場合は、直接死因とはなりませんが、合併する肺炎などでやはり毎年数万人が命を落としています。
最も大きなポイントは、患者さんが風邪と訴えて来院しても、その中には他の重大疾患が隠されている場合があるという事です。
頻度の多い疾患としては、後述するインフルエンザやアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿)、溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、気管支喘息、好酸球性気管支炎などがあり、注意が必要です。
風邪に伴う熱、痛み、咳、鼻水などの辛い症状や不安は、いくらでも軽減する事が出来ますので、全く我慢する必要はありません。
食事が摂れない時には点滴を行えばすぐ楽になります。
インフルエンザは最近、治療方法が急速に進歩しており、治療効果も高い疾患ですので、必ず病医院にかかって下さい。
突然高熱や頭痛、全身痛などが出現し、重篤感が風邪とは全く異なります。
鼻腔を綿棒で拭うだけの簡易検査で2〜3分で診断がつき、抗インフルエンザ薬を投与すると症状はすぐに劇的に軽快します。
抗インフルエンザ薬としては以前からあった
タミフルカプセル®、リレンザ吸入剤®.、
イナビル吸入剤®の他に最近ラピアクタ点滴薬静注液®も使用可能となり、
重症患者さんや経口・吸入投与が困難な患者さんにも投与出来るようになりました。
とにかくインフルエンザと診断がついたら、すぐに治療を開始して重症化や肺炎などの合併症を回避して下さい。
くれぐれも風邪やインフルエンザを甘く見ないで頂きたいと思います。